エスタビリッシュメントの論理に迎合することなく、信念を持ち新しい世界を切り開け

今北氏がいまから8年も前の1988年に上梓しているが、いまでも十分に読む価値のある内容だと思った。
ありきたりのプロフェッショナル論ではなく、とても本質的だし、自慢話に終始したり正論を唱える一方で、自分の失敗と経験を惜しげなく書き連ねた実践的な本である。だから、示唆がたぶんに含まれていて、特にミドル層(30代くらいかなぁ)には推薦できると思う。

今北氏のメッセージは本書を通じて一貫して筋を通している。あきらめたり、居心地よく、安定志向に走るな、自分の冒険心をアンテナにして、したたかにやりたいことを思いっきりやれ、というメッセージである。


欧米・対決社会でのビジネス (現代教養文庫)

欧米・対決社会でのビジネス (現代教養文庫)

欧米・対決社会でのビジネスの背表紙より

ビジネス・マーベリック(Business Maverick)という言葉がある。マベリックとは、離乳したての烙印の押していない子牛のことだが、意を転じ、ビジネスの世界では、エスタビリッシュメントの論理に迎合することなく、信念を持ち新しい世界を切り開いていく人間を指す。一匹狼とは違って、常に自分の群れに新風をおくるべく目的を持って生きる冒険心溢れる人間。それがマベリックである。

ということである。